4年ぶりのオーストラリア研修_豪州オイルマッサージ国家資格取得コース
2024年3月、豪州オイルマッサージ国家資格取得コースの最終過程となるオーストラリア研修を実施しました。
この研修は、豪州オイルマッサージ国家資格(Certificate Ⅳ in massage therapy)の国内履修分(272時間)を修了後、国家資格を取得するための最終過程をオーストラリア政府認定教育機関MSQで(オーストラリアに渡航して)受講するために実施されます。
今回のブログでは、オーストラリア現地での研修の様子や実際の内容など書きたいと思います。
目次
〇 実施の背景
〇 研修の様子
- 1日目
- 2日目
- 3-4日目
- 5日目:ファイナルアセスメント
実施の背景
コロナ感染症流行前までは、この研修を毎年3月に行っておりましたが、コロナ禍以降(2020年~2023年)は渡航制限のため実施できずにおりました。今回のスクールとしての開催(スタッフ同行による研修)は約4年ぶりとなります。
3月の開催タイミングで渡航ができない場合は、別の時期に個別で渡航して研修に参加できるシステムになっているため、渡航制限解除後の昨年から今年にかけて既に個別渡航で参加している受講生が何名かおります。
参加した受講生達は研修はもとより、現地の世界観を味わい大きく成長していました。
30年の歴史あるマッサージスクールのスチューデントクリニックは、近隣の住人の方にもよく知られており、長年利用されている顧客がたくさんいます。マッサージを始めたばかりの学生から経験者の学生まで、様々な受講生がいますが、ゲストはどんな受講生にも温かい激励とフィードバックを下さいます。良いところを褒めてくれ、また改善点も率直に指摘いただけるという貴重な機会です。
▲オーストラリア政府認定校 MSQ(Massage schools of Queensland)が入居する施設
▲ MSQの臨床サロンはローカルの老若男女が利用しています
▲MSQの授業の様子(座学)
▲MSQの授業の様子(実技)
この経験が、将来プロフェッショナルとして自信をもって活躍していくための礎になります。
1日目
現地スクールMSQでのスチューデントクリニック初日。
特に1人目のゲストへの施術は緊張しましたが、2人・3人と施術しながら、徐々に慣れてきました
2日目
2日目になると現場の雰囲気にも慣れてきて、接客もよりスムーズにできるようになりました。オーストラリアではオイルマッサージを受けることが習慣になっている人も多く、週1回ペースで予約するクライアントさんもいらっしゃいます。またリラクゼーションの大切さを認識されている方も多く(=リラックスするから過剰に働いている交感神経が抑制され副交感神経が働くようになる、この自律神経のバランスが健康維持に不可欠である)、スウェディッシュマッサージなどフローのあるオイルマッサージの人気も高いです。
3・4日目
1~2日目に引き続き臨床実習。3日目になると、英語での接客も慣れてきました。完璧な英語が喋れなくても、ボディーランゲージを駆使しながらクライアントと楽しくコミュニケーションがとれるようになりました。
3日目は、学校帰りにベジタリアンデリで食事をテイクアウト、バーレーヘッズのビーチで夕食を楽しみました。その後、サーファーズパラダイスのQ1タワー77階へ。ゴールドコーストの夜景が一望できる展望台で乾杯。前半の実習が終わってほっと一息。つかの間の観光でしたが、4~5日目の臨床実習、そして5日目のファイナルアセスメントに向けて、リフレッシュできたようです。
5日目:ファイナルアセスメント(最終実技評価)
これまでスクールで学び練習してきたことを披露し、評価者(アセッサー)からフィードバックをもらう場です(合否のあるテストではありません)。
この過程は卒後に活躍していくためのスタート地点ともいえます。
▲今回のアセッサー(評価者)はMSQのベテランのリメディアルセラピスト:サイモン
マッサージセラピーは、セラピストの技術と知識、そして感性や強みを総動員して、目の前の顧客に対してベストプラクティスを実践していくものですので、絶対的な正解はありません(※Scope of Practice:職務範囲のなかで禁忌を除く、顧客が満足するものが正解)。
故に60分等の短時間の技術実践や筆記試験だけをみて合否がジャッジされるのではなく、 受講生が取り組んできたワーク(理論や実技の授業への参加、臨床実習、ワークブックの完遂、小論文の作成など)が総合的に評価されて資格が取得できるシステムになっています。
▲オーストラリア政府認定校 MSQ(Massage schools of Queensland)のローナ校長
資格取得はプロフェッショナルとして活躍するためのスタート地点。マッサージセラピーの施術には絶対的な正解がないからこそ、これからも研鑽を続け、顧客により満足いただける施術サービス提供を目指して精進を続けていただきたいと思います。
TRTAの豪州オイルマッサージ国家資格(CertificateⅣ㏌Massage Therapy)取得コースは、資格を取得することだけが目的ではなく、日本語でオイルマッサージの専門理論と技術を深く理解し、一生モノのスキルと基礎力をつけていくことです。
私共も、国内外どこに行っても通用するセラピストを養成すべく、今後もより良い授業を提供できるようスタッフ・講師一同精進して参りたい所存です。
▽補足説明
※Scope of Practice:職務範囲
オーストラリアのセラピスト教育のなかで重視にされていることの一つに「Scope of Practice:職務範囲」の認識があります。自身が活動する国のルールや法令に基づいて仕事をするというコンプライアンス意識はプロとして不可欠な要素になります。
日本国内においてはセラピストは総務省の定める日本標準産業分類におけるリラクゼーション業/エステティック業(大分類:N 生活関連サービス業,娯楽業)に分類され、職務範囲が「手技を用いて心身の緊張を弛緩させるための施術を行う」となります。医業類似行為(治療的な施術)ができるのは、同産業分類における療術業に分類される資格(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師、大分類:P 医療,福祉)となります。