令和時代のセラピストの多様な働き方
今回のブログでは、そのセミナーコンセプトの中からセラピストの「働き方」と、その実現に必要な「自己研鑽」にフォーカスして書きたいと思います。
●現存するセラピストの働き方
世界でもホスピタリティ産業のカテゴリーに位置するセラピスト業は、様々な働き方が存在しています。セラピストとして、どの働き方が傾向として多いなど、個々の目的や環境によって違いがあるため一概にはいえませんが、特徴を見てみると大きく4つのタイプに区分されていることが分かります。【ホスピタリティ産業】 広義では観光・教育・健康産業・関連事業を示しています
▼副業・兼業
働き方の例:デイタイム(日中)は専従/専業を持ち、その仕事以外の時間を利用し、セラピストワークを行う。
現場環境:シェアサロン、スパ・サロン(既存店との個人契約でベッドを利用/パートタイム就労契約)、自宅の一室、訪問・出張など
▼就職・転職
働き方の例:専従としてスパやサロンなどの組織に属し、社員又は個人事業主のセラピストとして働く。
現場環境:リラクゼーションサロンやホテルスパ、エステサロンなど
▼独立開業(サロン営業のための家賃発生あり)
働き方の例:サロンの経営に専念、もしくはオーナーセラピストとして現場に立って、店舗又は事業を運営する。
現場環境:テナント(サロン可能な賃貸物件)、又は物件をローンで購入
▼プライベートサロン(自宅等、サロン営業のための家賃追加発生なし)
働き方の例:主にオーナーセラピストとして、スパ・サロンを運営する。又は家族のためのケアとして行う。
現場環境:ご自宅やマンションの一室/ご自身でデザインした空間、自己保有物件など
※上記は、あくまでも実例をもとにした参照例です。タイプの中間に位置するものや上記に記載していない働き方もありますので、予めご了承ください。
●セラピストとしてのキャリア形成
●キャリア形成とは
従来は「社内の仕事に必要なスキルを取得していくこと」を言いましたが、現代においては「5年後10年後、どのように働いていたいか」をイメージし、その理想に近づくために「今どんな経験を積み、どんなスキルを取得すればよいのか?」を考えることがキャリア形成の考え方となります。
●セラピストとしてのキャリア形成
未経験者であれば何から始めればよいか、経験者であれば今ある能力をどう活かし向上させれば(変化させれば)よいかはを真剣に考えるところだと思います。しかし、現実の体験談や現場の話を聴くと、日々の忙しさや仕事に追われ、自身のキャリア形成に対しての視野が狭まりがちになってしまうこともあるようです。
以下はセラピストとして前述の働き方を実現するためのキャリア形成の例となります。
〇会社に属してキャリア形成をする
➀セラピスト業に専念 施術に専念することで技術力を磨く
➁セラピスト+マネジメント
施術業にプラスして、人材育成・計数管理・採用などに携わることで、ビジネススキルも磨く
③セラピスト+インストラクション
施術業にプラスして、社内における技術指導に携わることで、インストラクションスキルも磨く
〇副業をしながらキャリア形成をする
➀異業種で正社員 + 週末セラピスト
平日は異業種の仕事をし、週末にパートタイムでセラピストをして技術力を磨く経験を積む
異業種でビジネススキルを磨くことは、セラピストとして独立開業する際に役に立ちます。
(注意)所属会社へ許可をとったうえで副業をすることが大切です。信頼関係を失い本業を失ったら元も子もありません。
〇兼業をしながらキャリア形成をする
➀週に2~3回パートタイムで仕事 + 週2~3回セラピスト
他の仕事とセラピストの仕事を半々で行い経験を積む
例)週2~3回看護師の仕事、週2~3回セラピストの仕事
当校の2022年2月のオフィシャルブログ「LIFE SHIFT(ライフシフト)について考える」では、これからの時代、エスカレーターのような「直線の人生」ではなく、様々なことを経験しながらオリジナルの人生をクリエイトする「マルチステージの人生」の内容を書きましたので、参考としてご覧ください。 https://trta-jp.org/blog_articles/20220203.html
● 世界で働き方が変化し始めている
令和の年号になって3年半が経とうとしている今、日本は国家をあげて働き方に変化をもたらしています。政府と労働界、産業界のトップが主導となり働き方改革(大企業 2019年4月、中小企業 2020年4月から)が施行され、「長時間労働の是正」や「柔軟な働き方がしやすい環境整備」など9つの分野の指針が公開されています。今では、メディアや公的施策を通じて、少しずつ目に見える形で動き出しています。
これからの社会は、働く人に置かれた事情に応じて、多様な働き方が選択できる時代です。そして成長と分配の好循環が構築され、働く一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようなる未来を目指しています。
▼先進国の多様な働き方
〇イギリス「圧縮労働時間制」:1日の労働時間を延ばす代わりに週の労働日数を少なくできる制度。
〇アメリカ「フレキシブルワーク」:完全成果制の印象があるアメリカ。在宅勤務など働く場所や、労働時間も完全自由という制度
〇オランダ「時間貯蓄制度」:残業や休日出勤など所定外の労働時間を貯蓄し、後日有給休暇などに振り替えて利用できる制度
〇フランスの給与制度「日曜勤務の給与は平日の倍」:日曜出勤で給与が平日の倍になるなど、高待遇な制度
※上記は企業の全てで取り入れられているわけではありません。実施後に法改正等で変更となっている場合もあります。
● 理想の働き方を実現するために研鑽を重ねる
前述のように多様な働き方が可能になるこれからの社会では、セラピストにとっても選択肢がさらに広がります。実際に当校の受講生からも業界や業種を問わず、多くのアイデアからイノベーションが生まれ、新しい働き方を実現しています。
日本では終身雇用の崩壊や価値観の多様化などの社会的背景から、個人の能力・スキルなど無形資産を備える時代に入っています。100年時代を生き抜く準備として、軸がぶれない教養を身につける、そして自己研鑽を重ねることで、常に変化の時代にも対応できると考えています。
【自己研鑽】主体的に学び、スキルや専門知識を深めること
TRTAは、これからもマッサージセラピー教育を通じて受講生の「人生の可能性を拡げる」ことに貢献していく所存です。引き続きよろしくお願いいたします。
【オンライン無料セミナー情報】
申込受付中:セラピストの資格と仕事 10/18(火) 19:30~開催
https://trta-jp.org/seminar_qualifications_work.html
[1]厚生労働省 働き方改革
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
●日本人が知らない世界標準の働き方 - PHP研究所(2021年出版)
●フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか - ポプラ社(2020年出版)